ニキビは多くの人が経験する皮膚トラブルで、主に思春期に発症し、思春期のシンボルなどとも言われています。
10代の思春期に悩む方も多いと思いますが、20代、30代でもニキビ肌に悩んでいる方もいらっしゃいますよね。
大人になってからできるニキビは大人ニキビ(吹き出物)です。
思春期ニキビ、大人ニキビの違いは?また、その原因や対処法は多岐にわたります。
ですが適切なスキンケアを行うことで、ニキビの発生を抑え、健康な肌を保つことができます。
それでは、ニキビ肌のスキンケア方法について見ていきましょう。
ニキビができる原因
過剰な皮脂分泌
過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、ニキビの原因に。
ニキビは皮脂分泌が多いとできると思われますが、過剰な皮脂分泌だけが原因というわけではなく下記のような様々な要因が影響しています。
ホルモンバランスの変動
思春期や月経周期、妊娠などでホルモンバランスが変化すると、皮脂腺が刺激されて皮脂の分泌が増加します。
思春期には性ホルモンの分泌が急激に増加し、皮脂分泌が活発になります。このため、思春期にニキビが多く発生します。
女性の場合、月経周期に伴うホルモン変動もニキビの原因となります。 特に排卵後から月経前にかけて、プロゲステロンの増加により皮脂分泌が増え、ニキビができやすくなります。
ストレス
ストレスを受けると、活性酸素が増え免疫力が下がります。
ホルモンバランスがうまくコントロールできなくなり、アンドロゲンという男性ホルモンが優位になり皮脂分泌が増加します。
年齢
10代に多く見られるのは思春期ニキビと呼ばれ、思春期を過ぎた20代前後から出る吹き出物は大人ニキビと言われています。
思春期ニキビは皮脂分泌が盛んで、肌が脂っぽくなることでできますが、大人ニキビは化粧品やメイクによる毛穴の詰まり、食生活などの生活習慣が原因となる場合も多いです。
生活習慣の乱れ
生活リズムの乱れは老化を早めます。代謝がうまくできなくなることでニキビができやすくなります。
特に、肌の再生に必要な成長ホルモンが多く分泌される、22時~深夜2時の肌のゴールデンタイムと言われる時間帯に十分な睡眠が取れていないと肌荒れは悪化してしまいます。
食生活の乱れ
ファーストフードやインスタント食品、甘いスナック菓子などの摂りすぎや、脂っこい食事も注意が必要です。
脂肪分や糖分の摂りすぎは、皮脂分泌を増加させ毛穴を詰まらせます。 毛穴が詰まることでニキビの原因となります。
毛穴の詰まり
乾燥
毛穴が詰まる原因は様々ですが、肌が乾燥すると、正常な肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が毛穴に蓄積しやすくなります。
古い角質が排出されにくくなり、毛穴を塞いでしまいます。
詰まった毛穴の中では皮脂がたまり、ニキビの元となるコメドができることでニキビの原因になります。
化粧品や間違ったスキンケア
大人ニキビの原因としては、化粧品やメイクによる毛穴の詰まりも原因に。
まず洗浄力の強い洗顔料の使用は避けましょう。 また、肌の洗い過ぎは皮脂の過剰分泌を引き起こす要因となるので要注意。
クレンジングや洗顔など、スキンケアの際に肌を擦ることも肌荒れ、ニキビの原因や悪化に繋がってしまいます。
また、スキンケア製品も油分の多い保湿剤などを使いすぎると、肌に残った余分な油分と皮脂が混ざって、毛穴が塞がれて詰まってしまいます。
毛穴が詰まるとニキビの原因となるアクネ菌が増えて、ニキビができる原因となります。
アクネ菌の増殖
アクネ菌(Cutibacterium acnes、旧名:Propionibacterium acnes)は、皮膚の毛包(毛穴)や皮脂腺に生息する皮膚の常在菌の一種で、ニキビの発生に深く関わっています。
通常は、皮膚の健康を保つために重要な役割を果たしており、皮膚の酸性度を維持し、病原菌の増殖を抑える働きをしています。
アクネ菌は嫌気性細菌であり、酸素の少ない環境でよく繁殖します。 毛穴が詰まると酸素の供給が減少し、アクネ菌にとって好適な環境が作られます。
皮脂腺から分泌される皮脂が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなります。 毛穴が詰まると、アクネ菌の繁殖に適した無酸素環境を作り出し、内部に皮脂が蓄積され、アクネ菌の餌となります。
アクネ菌はこの皮脂を分解し、脂肪酸を生成します。
脂肪酸の生成により、皮膚の免疫システムが反応。 白血球が集まり、炎症が発生し、ニキビの赤みや腫れが生じます。
これが炎症性のニキビの原因です。
思春期ニキビと大人ニキビの違いとは?
ニキビは、思春期と大人に共通する皮膚トラブルですが、その原因や症状にはいくつかの違いがあります。
それぞれのニキビについて詳しく見ていきましょう。
思春期ニキビの特徴
思春期ニキビは、額や鼻など皮脂が多いTゾーンにあらわれやすく、ホルモンバランスが安定してくると自然に治っていくのが特徴です。
思春期ニキビの原因
1. ホルモンの急激な変動
思春期に入ると、成長期に性ホルモン(特にアンドロゲン)の分泌が増加し、皮脂腺が刺激されます。
これにより皮脂の分泌が過剰になり、毛穴が詰まりやすくなります。
2. 皮脂分泌の増加
思春期の肌は皮脂の分泌が盛んであり、過剰な皮脂が毛穴を詰まらせることが多いです。
3. ターンオーバーの乱れ
新陳代謝が活発であるため、角質が厚くなりやすく、毛穴が詰まりやすくなります。
また、思春期には、受験や人間関係などのストレスと重なる時期でもあり、それらによるストレスからホルモンバランスが崩れ、ニキビを悪化させてしまうこともあります。
症状
額、鼻など、皮脂分泌が多いTゾーンに多く見られます。
初期は毛穴がふさがれて皮脂が詰まった状態の白ニキビ。
そのままの状態で皮脂の分泌やアクネ菌の増殖が改善されないと、炎症を起こした赤ニキビへと進行し、さらに悪化すると膿が溜まって黄ニキビとなってしまいます。
大人ニキビの特徴
大人ニキビの原因
大人ニキビは発生する原因が複雑で、ライフスタイルにも深く関係していると考えられています。
1. ホルモンバランスの乱れ
ストレス、月経周期、妊娠、更年期などによるホルモンの変動が大人ニキビの主な原因です。特に女性はホルモンの影響を受けやすいです。
2. ストレス
ストレスはコルチゾールというホルモンの分泌を増加させ、皮脂分泌を促進します。
3. 生活習慣の乱れ
不規則な生活、睡眠不足、偏った食生活が悪化の原因となります。
4. スキンケアの影響
化粧品やメイクによる毛穴の詰まり、また過度なスキンケアや不適切な化粧品の使用が肌のバリア機能を低下させ、ニキビを引き起こすことがあります。
男性は日常的な髭剃りの影響で口周りにできるケースが多いです。
5. 乾燥
肌の乾燥によるバリア機能の低下から、角質が硬化し毛穴を詰まらせることがあります。
症状
主に頬やあご、口まわりや首などのフェイスライン(Uゾーン)にできやすいのが特徴。
思春期ニキビと同様、初期は白ニキビから始まり、それが悪化して炎症を伴う赤ニキビ、膿を持つニキビになります。
繰り返し同じ場所にできるのも特徴です。
スキンケアのポイント
ニキビを作らないために、毎日のスキンケアを見直してみましょう。
スキンケアのPoint① 皮脂を取り除く
まず毛穴に詰まった皮脂を取り除くことが大切です。
そこで、優しく毛穴を開かせるのに有効なのが、蒸しタオルやスチーマーなどの蒸気で温めて毛穴を開かせる方法。
蒸しタオルは、濡らしたタオルをレンジで20〜30秒温めることで簡単にできるので、スキンケア前にぜひ取り入れてみて下さい。
スキンケアのPoint② 古い角質を取り除く
古い角質も毛穴を詰まらせてしまう原因となります。
蒸しタオルで温めて毛穴を開かせた後は、角質も柔らかくなり、汚れも落としやすくなっています。 ゴシゴシと擦ることは炎症を悪化させてしまうので絶対にNG。
肌を擦らないようにしっかりと泡立てた泡で優しく洗いましょう。
洗顔後には保湿をしっかりと! ニキビが気になる部分は、油分の多い保湿剤は避け、「ノンコメドジェニックテスト済み」や「低刺激」などの表記があるものを選ぶと良いでしょう。
スキンケアのPoint③ アクネ菌の増殖を抑える
アクネ菌は、皮膚の常在菌として通常は無害です。
しかし、毛穴に皮脂が詰まることでアクネ菌が増殖しやすい環境が整って、ニキビを悪化させてしまうので、毛穴をふさがないことが大切です。
そのために、先ほどのポイント①、②の蒸しタオルのケア、洗顔の見直しと、適切な保湿も重要です。
保湿が不足して肌が乾燥することで、過剰な皮脂分泌を招いてニキビの原因、悪化につながります。
思春期ニキビのポイント
- 皮脂分泌が多いTゾーンの余分な皮脂を取り除く
- ニキビの出来やすいおでこ、鼻筋などのTゾーンを重点的にケアする
洗顔などで余分な皮脂や汚れを取り除き、肌を清潔に保つように心がけて。
思春期ニキビはTゾーンに集中する傾向があるので、クレイパックなどを用いて、ニキビができやすい場所を重点的に毛穴の詰まりを取り除く角質ケアも一緒に行うといいでしょう。
ニキビケアに特化した「ノンコメドジェニックテスト済み」などの記載のあるものや、皮脂分泌を抑える効果のある洗顔料や化粧水などのスキンケアを使用することもおすすめです。
大人ニキビのポイント
- かさつき部分をしっかりと保湿する
- 大人ニキビのできやすい頬やあごなどのUゾーンを重点的にケアする
ストレスやターンオーバーの乱れなど生活習慣に影響を受けやすい大人ニキビ。肌の乾燥もニキビの原因となってしまいます。
皮脂分泌の少ない頬やあごなどのUゾーンにできやすい大人ニキビのケアには、水分と油分のバランスの良いスキンケアと酵素洗顔などの角質ケアを行いましょう。
正しいスキンケアと同時に、睡眠不足、食事の偏り、ストレスなどライフスタイルの見直しも必要です。
日常的にできるニキビの予防方法、改善方法
ニキビを予防するために、日常の生活習慣などの見直しも必要となります。
ここでは、日常生活での気をつけるポイントについて見ていきましょう。
ニキビに触れない、潰さない
ニキビに触る回数が多いと炎症のリスクを高めて、ニキビを悪化させてしまいます。
また、ニキビを潰してしまうと跡が残ってしまうことがあるのでやめましょう。 ニキビがあるときには、できるだけ清潔にして触らないことが大切です。
おでこなど髪がかかってしまう場所にニキビができている場合には、髪をアップにするなどの髪型を工夫することも必要です。
炎症がひどい場合には、皮膚科を受診するようにしましょう。
日焼け止めを塗る
紫外線はニキビにとって大敵。 肌に紫外線が当たると、乾燥したり、皮脂が酸化して炎症が起こりやすくなったり、ニキビ跡が茶色いシミのようになったりということも。
また、強い紫外線を浴びると肌を守ろうと角質層が厚みを増すため、結果として毛穴を詰まらせてしまいニキビができやすい状態になってしまいます。
夏だけでなく、年中紫外線は降り注いでいるので、適切な日焼け対策をすることをおすすめします。
ニキビができているデリケートな肌には、敏感肌用の日焼け止めを使用すると良いでしょう。
食生活を見直す
脂質や糖質の多い食事を摂っていると、皮脂が分泌されてニキビができやすくなります。 下記のような食品を意識して食べるようにしましょう。
- 肌を作ってくれる元となるのタンパク質(卵、肉類など)
- 炎症を防ぐ効果のあるビタミンC、ビタミンE(果物、ナッツ類、油脂類など)
- 皮脂の量を抑えるビタミンB2(魚介類、肉類、藻類、豆類など)
甘いお菓子やスナック菓子をナッツやフルーツに変えてみたり、野菜ジュースをプラスで取り入れたりと無理なく続けられる方法を食生活に取り入れてみて下さい。
育ち盛りの思春期ニキビにも大人ニキビにも、体の健康のためにバランスの良い食事を心がけましょう。
睡眠をしっかりととる
肌の回復や免疫力を保つためにも、十分な睡眠をとることは大事です。
皮脂の分泌はホルモンによってコントロールされており、睡眠不足や不規則な生活が続くと、ホルモンバランスが崩れてニキビを悪化させてしまいます。
睡眠不足にならないためにも、遅くとも寝る1時間前までにはお風呂に入って、10分~15分は湯船につかって体を温めてリラックスする時間を作りましょう。
また、スマートフォンやパソコンなどのブルーライトも睡眠の妨げになると言われます。 深い睡眠を取れるようにするために、できれば寝る1時間前にはスマートフォンなどの画面を見ないようにしましょう。
自己流ケアをしない
間違ったケアは、ニキビを悪化させて跡が残ってしまう可能性があります。
自宅でのスキンケアでなかなか改善が見られない場合には、皮膚科などの専門のクリニックに相談するようにしましょう。
洗顔方法の見直し
皮脂や汚れを落とさないままでいると、酸化してニキビの原因となってしまいます。
1日に何度も洗うのは必要な皮脂まで流してしまい、補おうとさらに皮脂が分泌されてしまい逆効果なので、洗顔料で洗うのは朝晩2回の洗顔で十分です。
メイクや日焼け止めを塗っていない場合には、ぬるま湯で皮脂や汗を流すだけでもOK。
できるだけ肌を擦らないようにやさしく丁寧な洗顔を心がけましょう。
洗顔方法は、まず手をきれいに洗います。
そのあと、ぬるま湯で顔全体を予洗いして肌表面の汗や汚れを流します。
泡立てネットなどでしっかりと弾力のある泡を作り、顔に直接触れないように泡で優しく洗います。泡で洗うのは30秒程度で十分です。
その後、34℃~38℃程度のぬるま湯でしっかりとすすぎましょう。
フェイスラインや髪の生え際、あごの裏などは泡が残りやすいので丁寧に。
タオルで拭くときにもできるだけ抑えるようにして、擦らないように注意しましょう。
しっかりと保湿をする
肌が乾燥すると、肌がもっているバリア機能が弱まって、さまざまな肌トラブルの原因になり、ちょっとの刺激でも敏感になってしまいます。
また、肌が乾燥すると脂分を補おうとして、余計に皮脂が分泌されます。
洗顔のあとはしっかりと化粧水で肌に潤いを与え、水分の蒸発を防ぐために油分が少なめの乳液などで蓋をしてあげましょう。
そうすることでバリア機能がしっかりと働いてニキビができにくくなります。
まとめ
ニキビにはまず、主にTゾーンにできる思春期ニキビと、Uゾーンにできる大人ニキビがあります。
ニキビができる原因
上記のような要因があります。
思春期ニキビと大人ニキビのそれぞれの特徴
ニキビ肌のスキンケアのポイント
ニキビ肌のスキンケアは下記のポイントを意識して行いましょう。
思春期ニキビのスキンケアのポイント
- 皮脂が多いTゾーンの余分な皮脂を取り除くこと
- ニキビが多いTゾーンの重点的なケア
洗顔などで余分な皮脂や汚れを取り除き、肌を清潔に保つように心がけましょう。
大人ニキビのスキンケアのポイント
- かさつき部分をしっかりと保湿する
- 大人ニキビのできやすい頬やあごなどのUゾーンを重点的にケアする
水分と油分のバランスの良いスキンケアと同時に、ライフスタイルの見直しを行いましょう。
日常的にできるニキビの改善、予防方法
ニキビを改善、予防するには、日常の習慣を見直すことも大切です。
思春期ニキビと大人ニキビでは、できる箇所や原因は異なりますが、アクネ菌の増殖によってできるという基本的なメカニズムは一緒です。
この他にもストレスなども影響するので、ニキビも気にしすぎずにうまく気分転換をしながら過ごすことも大切です。
この記事がお役に立てたら嬉しいです。
日常に取り入れられるものから取り入れてみて下さいね。