「ハンドクリームを塗っても手荒れが治らない…」
「水仕事をしていないのに、なぜか手の平が痒い…」
これからの季節、手湿疹に悩む方は多いのではないでしょうか?
一般的に「洗剤まけ」と思われがちな手荒れですが、実は「意外な原因」が潜んでいることがあります。
今回は、皮膚科医の知見をもとに、手湿疹の本当の原因と治し方をまとめました。
1. 手湿疹の基本原因:まずはここをチェック
手湿疹の原因は大きく分けて2つのパターンがあります。まずはご自身がどちらに当てはまるか確認してみましょう。
洗剤や水仕事など、外部からの刺激によって肌のバリア機能が壊れるタイプ。
- 食器用洗剤、石鹸
- 消毒液、頻繁な手洗い
- 誰でも起こりうる
特定の物質にアレルギー反応を起こしてしまうタイプ。
- 植物、ゴム手袋
- 香料、小麦、金属
- 特定の人に起こる
💡 まず除外すべき「疥癬(かいせん)」
手荒れの診断をする前に、まずは「ヒゼンダニ」という虫による感染症「疥癬」ではないかを確認する必要があります。老人ホーム勤務の方や、衛生状態の悪い環境にいた場合などは要注意ですが、一般的には稀です。
2. よくある間違い?手袋の正しい使い方
「手荒れ防止のためにゴム手袋をしているのに、治らない」という方はいませんか?
実は、ゴム手袋そのもの(ラテックス)でアレルギーを起こしている場合や、手袋の中の「汗」で蒸れて悪化している場合があります。
推奨される「2枚重ね」テクニック
(汗を吸い取り、ゴムの接触を防ぐ)
(水や洗剤をブロック)
少し手間ですが、これを行わないとなかなか治らないケースも多いです。
3. 衝撃の事実!「原因不明」の犯人3選
水仕事もしていない、デスクワークなのに手が荒れる…。そんな「原因不明」の手湿疹の場合、以下の3つの意外な原因が疑われます。
① 意外なアレルギー物質への接触
- 職業・趣味:お花屋さん(植物)、パン職人(小麦粉)、美容師(薬剤)、市場勤務(魚介類)
- 日常生活:ドアノブや小銭(金属)、ハンドクリームの「良い香り(香料)」
② 食べ物に含まれる「金属」
これが今回の最重要ポイントです。口から食べた金属が原因で手が荒れることがあります。
なぜ食べ物が手に影響するの?
- 食事で微量な金属(ニッケル・クロム等)を摂取
- 体が金属を吸収し、全身を巡る
- 汗として皮膚から排出される
- 手の平は汗をかきやすいため、汗中の金属に反応して「汗疱(かんぽう)型手湿疹」ができる
③ 銀歯(歯科金属)
口の中にある銀歯などが少しずつ溶け出し、全身を巡ってアレルギーを引き起こしている可能性があります。
※セラミックに変えると治るケースもありますが、高額なため医師との相談が必要です。
4. 要注意!金属を多く含む食べ物リスト
もし「何をしても治らない」場合、以下の食品を摂りすぎていないかチェックしてみてください。
| カテゴリ | 多く含まれる食品 |
|---|---|
| 穀物・豆類 | そば、オート麦、大豆(納豆・味噌)、きな粉 |
| お菓子類 | チョコレート、ココア、ナッツ類 |
| 魚介類 | 貝類(アサリ・ハマグリ)、エビ・カニ、ウナギ |
| 野菜・海藻 | タケノコ、ほうれん草、ひじき、シソ、きのこ類 |
| 飲み物 | コーヒー、お茶、香辛料(カレー粉など) |
⚠️ 注意点
これら全てを避けると食べるものがなくなってしまいます。
まずは「嗜好品(チョコレート、ナッツ、コーヒー)」を少し控えてみるところから始めるのが現実的です。
5. 手荒れを治すためのステップ
自己判断で極端な食事制限をする前に、以下のステップで原因を突き止めましょう。
STEP 1
まずは皮膚科へ
市販薬で治らない場合は早めに受診しましょう。
STEP 2
生活習慣の見直し
洗剤の種類、職業、趣味、ハンドクリームの香料などを確認。
STEP 3
適切な治療
ステロイド外用薬、保湿剤、飲み薬など。
STEP 4
治らない場合は検査・除去
パッチテスト、金属除去食、銀歯の除去を検討。
まとめ
手湿疹は「たかが手荒れ」と侮っていると、生活の質(QOL)を大きく下げてしまいます。なかなか治らない方は、一度「自分が食べているもの」や「身につけているもの」を見直してみてはいかがでしょうか?
※本記事は一般的な医学的知見に基づき作成しています。症状の診断・治療については必ず専門の医療機関にご相談ください。





