こんにちは。
今日は、イチョウ葉エキスについてご紹介したいと思います。
イチョウ葉エキスは、血行促進作用や抗酸化作用、紫外線ダメージから肌を守ってくれるなどの働きがあると言われていて、日本では主に健康食品としてサプリメントなどで使用されています。
また、血液循環作用などが注目され、スキンケア製品として、日焼け止め、化粧下地などに配合されています。
イチョウ葉エキスのスキンケア製品についての効能・効果について調べてみました。
イチョウ葉エキスの歴史
イチョウは、約1億5千万年前の中世代ジュラ紀に地球上に出現した植物で、氷河期にほとんどが絶滅し1属1種のみが中国南部に生き延びたことから「生きた化石」とよばれています。
そのうち、生命力が強いイチョウの葉の煎液を民間薬として心臓病・動脈硬化に用いられるようになりました。
その後、1960年代にドイツの製薬会社において研究・開発されたイチョウ葉エキス「EGb761」が脳や末梢血管の血流改善に使用されたことをきっかけに研究が活性化し、メディカルハーブとして欧米において軽度の加齢にともなう認知症における認知障害と生活の質を改善するための医薬品として承認されています。
現在、世界60カ国以上で医薬品として認可されており、ヨーロッパでは認知症の改善治療や末梢血管閉塞症の改善などに使用されています。
日本においては、1998年以降にその葉が注目されはじめ、2002年には日本健康・栄養食品協会によって欧米と同等の規格を定め、主に健康食品として利用されています。
イチョウ葉エキスの成分とは?
イチョウ葉エキスは、イチョウの緑葉からエタノールなどで抽出される天然のエキスで、古くから健康や美容に役立つとされてきました。
特にアジアでは漢方や伝統医学で使用されており、その抗酸化作用や血行促進効果が高く評価されています。
イチョウ葉エキスには、次のような成分が含まれています。
- フラボノイド
- フラボノール(成分名:クエルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン)
- ビフラボン(成分名:ギンゲチン)
- テルペノイド
- ジテルペン(成分名:ギンコライドA,B,C、ビロバライド)
なお、化粧品に配合される場合は、以下のような効能が期待されます。
イチョウ葉エキスの効能・効果とは?
主な効能① 抗酸化作用
イチョウ葉エキスには、フラボノイドやテルペノイドといった成分が豊富に含まれています。
ポリフェノール類には、活性酸素を抑える強力な抗酸化作用があることが有名です。
これにより、肌の酸化ストレスを軽減し、シミやシワ、たるみなどのエイジングサインを予防します。
主な効能② 血行促進
イチョウ葉エキスは血流を促進する効果もあり、肌に栄養をしっかりと供給できるようサポートします。
これにより、くすみを改善し、肌のトーンを均一に整え、ハリとつやのある明るく健康的な肌に導きます。
主な効能③ 保水効果
血流を促進する効果と同時に、保水効果、保温効果もあります。
肌をやわらかくして、くすみを取り、明るい肌づくりをサポートします。
主な効能④ 抗炎症作用
肌トラブルの原因となる炎症を抑える働きがあり、敏感肌や赤みが気になる方にも適した成分です。
特に、アクネ菌やその他の肌トラブルに対して穏やかに働きかけ、肌のバリア機能を強化します。
主な効能⑤ 紫外線吸収補助作用
イチョウ葉エキスには、紫外線UVBおよびUVA吸収する作用があると言われています。
イチョウ葉エキス(50%エタノール抽出)の紫外線吸収スペクトル図
UVB領域に吸収極大を示し、かつUVA領域にも吸収能を示すことから、UVBおよびUVA吸収による紫外線防御補助目的で日焼け止め、化粧下地、メイクアップ製品などに使用されています。
イチョウ葉エキスの基本情報・配合目的・安全性https://cosmetic-ingredients.org/skin-conditioning-miscellaneous/8760/
イチョウ葉エキスに期待される効果
フラボノイドの一種であるケンフェロールやクエルセチンを含むイチョウ葉エキスが、紫外線による肌への酸化ダメージを抑える生体内防御システムのひとつである「チオレドキシンシステム」のはたらきを高める、という研究結果が資生堂から発表されています。
資生堂、イチョウ葉エキスが紫外線ダメージから肌を守るシステムのはたらきを高めることを発見
資生堂は、CBRC(MGH/Harvard Cutaneous Biology Research Center、米国・ボストン)
https://corp.shiseido.com/jp/releimg/1807-j.pdf
※1との共同研究成果をも
とに、紫外線による酸化ダメージから肌を守る細胞内の生体内防御システムのひとつである「チオレドキシンシステム」のはたらきを、「イチョウ葉エキス」が高めることを発見しました。
この発見によって、これまで以上に生体内防御システムへの対応の強化が可能となり、紫外線ダメージから肌を守る効果の高い製品開発を進めていきます。
チオレドキシンシステムとは?
酸化ダメージから守る生体内防御システムの一つで、チオレドキシンというタンパク質が中心的に関与しています。
細胞にダメージを与える活性酸素が体内に入ってきた際に、チオレドキシンやグルタチオンなどが酸化ダメージから体を守ろうとする働きのことを指します。
チオレドキシンとは?
チオレドキシンは、すべての生物に存在するタンパク質で、抗酸化作用や細胞内のシグナル伝達、タンパク質の活性を調節するなどの働きがあります。
植物の光合成にも関わる成分です。
チオレドキシンの特徴
チオレドキシンには、次のような特徴があります。
- 抗酸化作用により、紫外線や放射線、酸化剤、ウイルス感染などのダメージから体を守る。
- 酸化したタンパク質の働きを元に戻す機能がある。
- 血液中のチオレドキシン濃度はストレスが高まると濃くなり、酸化から守る。
- 皮膚内部の線維構造を改善する効果がある。
- 摘出皮膚組織にチオレドキシンを塗布すると、皮膚内部のコラーゲンが増え、線維構造がまっすぐに伸びる。
この抗酸化作用により、光老化などの肌ダメージから守ってくれているのですね。
イチョウ葉エキスにチオレドキシンシステムのはたらきを高める効果
先ほどの資生堂の資料によると、イチョウ葉エキスに含まれるフラボノイドの一種であるケンフェロールには、紫外線による細胞ダメージを強力に抑制することを発見したとされています。
ケンフェロールには、活性酸素の発生による酸化ダメージから体を守る働きのあるチオレドキシンの産出作用が、他のポリフェノールなどの成分より多いという研究結果が示されています。
つまり、チオレドキシンを増やしてくれる働きがあるということです。
この作用から、イチョウ葉には紫外線による肌ダメージと酸化ダメージから肌を守る効果が高いとされ、注目されています。
まとめ
イチョウ葉エキスの歴史とは?
- イチョウは、古代から変わらない姿から「生きた化石」と呼ばれる生命力の強い植物。
- 現在、世界60カ国以上で医薬品として認可されており、メディカルハーブとしてヨーロッパでは認知症の改善治療や末梢血管閉塞症の改善などに使用されています。
イチョウ葉エキスの成分
イチョウ葉エキスには、次の成分が含まれています。
- フラボノイドに分類される クエルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン、ギンゲチン
- テルペノイドに分類される ギンコライドA,B,C、ビロバライド
イチョウ葉エキスの効能・効果
イチョウ葉エキスには、次のような効能効果が期待されます。
- 抗酸化作用
- 血行促進
- 抗炎症作用
- 紫外線吸収補助作用
イチョウ葉エキスに含まれるフラボノイドの一種であるケンフェロール、クエルセチンには
紫外線による肌ダメージと酸化ダメージから肌を守る生体内防御システムの一つである「チオレドキシンシステム」を高める効果があると期待される。
イチョウ葉エキスは、その強い生命力から様々な健康効果や美容効果が期待されている成分なのですね!