こんにちは。今回の記事は、コスメに使用されるスキンケア成分の解説シリーズです。
今回は、「お肌、皮膚のガードマン」や「万能ハーブ」とも言われる、カレンデュラエキス(トウキンセンカ花エキス)について調べてみました。
カレンデュラエキスとは、カレンデュラという植物から摂れるハーブエキスで、クリームや化粧水、オイルなど様々なコスメとして販売されています。
万能ハーブと呼ばれるハーブ、気になりますよね!
カレンデュラエキス(トウキンセンカ花エキス)とは?
カレンデュラってどんな植物?
カレンデュラはトウキンセンカとも呼ばれ、春から夏にかけて、鮮やかなオレンジ色の花を咲かせるキク科のハーブです。
カレンデュラエキスは、カレンデュラ(トウキンセンカ)の花から摂れるエキスで、別名トウキンセンカ花エキスとも呼ばれています。
一般的な植物名としては、カレンデュラ、ポットマリーゴールド、キンセンカと呼ばれ、鑑賞用はもちろん、薬用として古くから化粧品原料として栽培されています。
地中海沿岸を原産とし、ヨーロッパ南部やアフリカ北部に自生している植物で、古代ギリシャでは食品、化粧品および布の着色などに使用されたり、古代ローマでは料理の付け合わせに使用されていました。
カレンデュラ(Calendula officinalis)の語源はラテン語のカレンダーから来ていると言われていて、「太陽のハーブ」とも言われ、 カレンデュラの花が開花している期間が長いことに由来する説や、太陽の出ている間だけ開花することに由来する説があります。
また、学名のCalendula officinalisのofficinalisとは、「薬用の」という意味があり、12世紀には、皮膚の調子を整えて小さな傷の感染症を予防する外用薬として用いられてきた歴史があるハーブです。
↑カレンデュラ(ポットマリーゴールド/キンセンカ)
見た目が似ている同じキク科のマリーゴールドと混同されやすいのですが、日本でマリーゴールドと呼ばれる品種とは異なります。
主に日本でマリーゴールドと呼ばれる品種の一般名はフレンチマリーゴールドで、こちらは鑑賞用の品種です。
↑フレンチマリーゴールド
ハーブの抽出方法
ハーブの抽出方法には、いくつかの方法があります。
代表的な抽出方法がこちらです。
熱湯での抽出
一番お手軽で飲用もできる方法です。
- 紅茶を入れる要領で、ハーブを熱湯に入れて5〜10分置いて蒸らします。
- 成分が抽出されたら、茶漉しなどでハーブを濾して使用します。
化粧水などとして使用する場合は、冷めたらそのまま使用できます。 ただし、保存ができないので1日限りで使い切りましょう。
オイルでの抽出
オイルでの抽出方法は2種類あります。ハーブの種類によって向いている方法がありますが、カレンデュラは冷浸法が向いていると言われます。
カレンデュラオイルとして販売されており、皮膚の保護をしてくれるオイルとして人気です。
デリケートなお肌の方やゆらぎ肌にもおすすめで、妊婦さん向けでも使われるオイルです。
冷浸法(アンフルラージュ)
熱を加えずに、常温でゆっくり静かにオイルに染み出させる方法です。
伝統的なやり方としては、 まず豚や牛の脂に花の表面を置き、数日~数週間かけて花から発せられている香りの分子を油脂に吸着させます。 その油脂を低温のアルコールで溶解すると、アルコールに香りが移り、そのアルコールを揮発させることで精油を手に入れることができます。
水蒸気蒸留ができないデリケートな花(ジャスミンなど)に使われていた方法です。 伝統的な方法は、手間と時間がかかるため、現代では冷浸法で作られるオイルは少なくなっています。
現代では、ハーブを植物油に常温で時間をかけて漬け込む方法で作られています。
- 瓶にハーブと植物オイルを入れて、1日1回混ぜながら、2週間程度置きます。
- 瓶の中身のハーブをガーゼなどで濾し、保存用の瓶などに移して冷暗所に保存します。
※日の当たる場所に置くと、ハーブの成分をより多く浸出させることができます。
温浸法(マセレーション)
花や葉を押し潰して、油腺や細胞を破裂させてから湯せんで植物オイルを温めて浸出する方法です。
時間をかけずに短時間で浸出することができます。
- ハーブをできるだけ小さくしてボウルなどに入れ、植物オイルをハーブが浸るように入れます。
- ボウルより大きい鍋などにお湯を沸かし、ハーブを入れたボウルを鍋で湯煎しながら、時々かき混ぜて30分以上温めます。
- 最後にガーゼでハーブを濾して、保存用の瓶などに入れたら出来上がり。冷暗所で保存します。
保存期間は、いずれも3ヶ月程度です。なるべく早めに使い切りましょう。
アルコールでの抽出
エタノール、または 1,3-BG で有効成分を抽出する方法です。
- 無水エタノールの場合は、精製水が70%とエタノール30%の割合で使用します。
- 漬け込むハーブは、できるだけ細かく潰して5日間漬け込みます。
- その間、容器を1日1回よく振ります。
- ハーブをガーゼなどで濾しとったら完成です。
エキスの上澄みだけを使うようにしましょう。化粧水の場合は濃度は5%まで。保存容器で6ヶ月程保存できます。
エキスを抽出できたらすぐに化粧水などに配合できるので、化粧水などに配合されている場合は主にこの方法が使われます。
カレンデュラエキス(トウキンセンカ花エキス)の効能とは?
カレンデュラエキスとは、カレンデュラの花を様々な方法で抽出したエキスのこと。
損傷を受けた皮膚や粘膜を修復・保護する作用があると考えられていて、メディカルハーブとしてクリームや軟膏に使用されています。
カレンデュラエキスの効能としては下記があります。
カレンデュラエキスの効能
- 肌荒れ
- 湿疹
- 小さな切り傷
- 虫さされ
- 火傷
- 生理痛の緩和
- 月経不順・更年期障害の緩和
肌荒れやデリケートなお肌の方向けの化粧品の成分として使われており、傷ついた皮膚や粘膜などを保護してくれる効能がある。
殺菌力や消炎効果があるため、日焼けした皮膚の回復や火傷の回復など、炎症を起こした肌の回復を促してくれる効果がある。
月経不順・更年期障害の緩和や、生理痛を和らげる効果も期待されている。
まとめ
カレンデュラとは?
トウキンセンカとも呼ばれるキク科のハーブ。 皮膚の調子を整えて小さな傷の感染症を予防する外用薬として用いられてきた。
カレンデュラエキス(トウキンセンカ花エキス)とは?
カレンデュラエキスとは、カレンデュラの花を様々な方法で抽出したエキスのこと。 別名トウキンセンカ花エキスとも呼ばれている。 「お肌のガードマン」 「万能ハーブ」とも呼ばれ、メディカルハーブとしてクリームや軟膏に使用されている。
ハーブの抽出方法
熱湯抽出・・主にハーブティーとして。 オイル抽出・・冷浸法、温浸法があり、カレンデュラは冷浸法での抽出が向いている。 アルコール抽出・・エタノールや 1,3-BG で抽出される。化粧水などに配合されている主な方法。
カレンデュラエキス(トウキンセンカ花エキス)の効能とは?
肌荒れ、湿疹、小さな切り傷、虫さされ、火傷、生理痛の緩和、月経不順、更年期障害の緩和 など
ヨーロッパでは、昔から外用の軟膏などとして使用されていたハーブで、様々な皮膚の保護効能がある魅力的な成分です。
化粧水やクリーム、石鹸やオイルなど様々な製品があるので、肌荒れなど何かしら肌のトラブルに悩みがある方には試してみてほしい成分の一つです。